モンゴルへの輸入を規律するのは、1996年の関税法です。
同法の下では、モンゴルへの物資の輸入は、数すくない製品に課される輸入許可を除き、規制対象になっていません。
輸入者は、税当局に登録しなければなりません。通関目的のために国家登録局への登録も必要です。
通関にかかる主要書類は、関税当局指定の税関申告書(CDF)です。
必要と認めるときは、税関は輸入者に対し、通関目的のために他の書類を提出させることができます。
外国貿易契約、インボイス、運送契約、パッキングリスト、原産地証明、所轄官庁により発給された許可書などです。
通関のための書類は、モンゴル語で作成されねばなりません。書類の翻訳Copyでも受理されます。
通関書類は税関窓口に提出されます。
税関が提出された関税価額に同意する場合は、輸入者は、輸入税、VAT,および物品税を支払わなければなりません。
続いて、税関は申告物資の輸入を承認します。通関書類の事前申告もOrder No.315(Oct 27,1998)に基づいて可能です。
1回の船積が沢山の物品を含む場合、特に特別の季節(収穫期、新年等)では、迅速な処理が必要となりますし、特別な倉庫が必要となることもあります。
物資が保税倉庫に入るか、出るか、外国から直接に関税特別地域に入るか、出るかする場合は、簡素化された通関手続きが採用されます。必要書類が簡素化されます。
ある種の危険物(たとえば、核物質)、血液、血液製品、および治療目的で使われる臓器に対しては、特別手続きが適用されます(OrderNo.187,May15,2000)。
特別手続きは通関申告書の事前完成ベースで、通関がなされます。
特別手続きを認められた企業および個人は、通関前に関税およびその他税を支払うことができます。
審査は、特別取り扱いを要する危険物(ウラニウム、高度に有毒な化学物質)または動物)については、8労働日以内に終了します。
2002年以降、決められた基準に合致する良質企業に対しては、ゴールドカードシステムが採用されています。
ゴールドカード所有者には、すべての、または、ランダムで積荷検査が免除されます。
企業への行政負担軽減および輸入者の時間節約のため、輸入者は、輸入者に代わって書類その他の手続きを行う通関Brokerを指定することができます。通関 Brokerの業務に関する規則は税関総局により発行されます。
加えて主要税関事務所では、One-Stopサービスが提供されます。
One-Stop サービスは、必要な税関書類およびその他の公式手続きが1箇所で完成することを目指しています。
税関検査官による書類の審査、通関価額評価、関税およびその他諸税の支払い、および税関検査等が含まれます。
もし、国家税関検査官の決定が正当化できないと考える場合は、決定後10日以内に所轄税関事務所長または税関長官に訴えることができます。
それらの決定に不服のときはさらに、上層部の税関官吏に訴えを提起することができるし、さらに不服の場合は、法廷に訴えを提起できます。
関税、関税の修正、関税価額評価、関税の徴収に関する事項については関税法が規定します。
国境を通過する物資にかかる関税は議会により承認されます。
不定期に召集される関税評議会は、関税率の採択・修正、反ダンピング、相殺関税の賦課等、関税システムの発展にかかる事項について政府に提案を行います。
モンゴルはHarmonized Commodity Description and Coding System(HS)を1993年1月1日に採択しました。
モンゴルは2002年1月1日にHS2002を採択し、現在の関税表はHS 8桁レべルで5541項目からなっています。
最初の6桁はHSの共通コードで、最後の2桁は国レベルのサブコードです。
関税法によると、モンゴルの関税は普通、最恵国(MFN)、特恵レートから構成されています。
MFNレートは、モンゴルにMFNの地位を与える諸国からの物資に適用されます。
特恵レートは、モンゴルに優遇関税レートを与える国を原産地とする物資に適用されます。
その他の国からの物資は、MFNレートの2倍である普通レートで課税されます。
関税法によると、関税のレートは従量、特別または其の混合です。
現在、モンゴルは5%の従量MFNレートを殆どの輸入品に適用しています(ChartIIIの1)。
1997年のWTO加盟以前は , 大多数の輸入品について、15%の従量税を課していました。
関税法の導入以来、関税率はたびたび変更されました。主要な変更のひとつは、1997年5月から、1999年9月の間にゼロ税率を導入したことです。2001年には多数の輸入品に7%の税を課しました。
MFN レートには二つあります。ゼロレートと、15%の季節レートです。
ゼロレートは49項目に適用され(全体の0.9%)、生育目的の生きた動物、牛、豚、羊、山羊、情報拡張機器および部品、その他情報開発機器、トランジスターダイオードおよび類似トランジスター、ならびに各種医療機器を含みます。
2000年以降、種々な目的での関税免除が設けられています。たとえば、モンゴルが当事者となっている国際協定、協力プログラムの下で輸入される機器や物資、ミレニアム道路プロジェクトで輸入される重機械、石炭・エネルギープロジェクトのために輸入される重機械などです。
小麦や野菜(じゃがいも、たまねぎ、キャベツ、大根、鏑菜、人参)は季節的輸入税15%が課せられます。
これらの生産物の国内生産者を保護するためです。税は8月1日から4月1日の期間に課せられます。
すなわち、生産物の収穫期の後です。この期間後は税率は5%です。
政府は関税表に基づき、関税評議会の勧告(関税法第4条および第6条)により、税率の50%までを限度に、 自由裁量で税率を減少または増加できます。
輸入品にかかる関税評価は、関税法に従って行われます。
評価の基礎としては、輸入品のCIF価格が使われます。第10条から18条に従い、決定の主要ベースは取引価額です。
すなわち、モンゴルの税関領域で、輸出として販売された物資に実際に支払われた、または、支払われる価格です。
もし、税関が、申告された価額が正しくないと疑う場合は、そして、輸入者が申告された輸入価額を正当化できない場合は、税関は、“減殺方法”、“計算方法”、あるいは“撤退方式”を採用することになります。モンゴルでは、船積前検査手続きは行っていませんし、輸入品に関して原産地規則を要求していません。モンゴルでは特恵輸入スキームを持っていないからです。
モンゴルは輸入割当を行っていません。
関税法では、輸入の禁止、制限には、議会の承認が必要です。
現在、禁止物資はある種のドラッグおよび麻薬、それらを生産する原料および装置およびすべてのタイプの純蒸留酒を含みます。現在輸入が制限されているのは、いくつかの異なったカテゴリーに分類されます。
ある種の牛、馬、羊、山羊とラクダ;動物関連の原料および希少動物のボデイ部分;自然植物;
ウラニウムおよびその濃縮物;イオン化された紫外線物質 ;低リスクの化学物質;
オゾン層に悪影響を与える、モントリオール議定書規定のすべての化学物質;危険な産業廃棄物、献血血液;
基準に従い蓄えられるべきボデイ部分;ドラッグに関する1961年の国連議定書、物質に関する1971年の国連議定書、ドラッグの不法取引に関する1998年の国連議定書による人間の精神に影響を与える医薬品;武器;獣医機器;
最終ニット製品;および文化工芸品
官庁によると、これら制限の主要目的は国家の防衛と人間、動物、および植物の健康維持を保護することにあります。
輸出通関には、租税登録と国家登録局への企業登録が必要です;
通関手続きと輸出のための必要書類は関税法に規定されています。通関の基本書類は、税関申告書(CDF)です。
税関は輸出者に追加的書類を要求できます。インボイス、パッキングリスト、原産地証明などです。
輸出品の関税価額はモンゴル国境価額です。輸入の際と同様、モンゴルの主要税関事務所でOne-Stop Serviceが受けられます。2002年以降、ゴールドカードシステムが導入されています。
モンゴル商工会議所(MCCI)が、特に、米国および欧州同盟に輸出する繊維製品輸出者に対して原産地証明を発行します。
原産地証明の発行に関する規則は、1999年8月2日に制定された“ Issuing th e Certificate of Origin and Determining the Origin of Textiles originated in Mongolia” 規則に規定されています。原産地証明を要求するには、輸出者は契約書のコピー,インボイス、パッキングリストと商工会議所に対する申請書を提出しなければなりません。
商工会議所は通常、書類提出後、ビジネスアワー4時間以内に発行します。
商工会議所は輸出品を工場で検査することができます。
モンゴルはいくつかの品目に輸出税を課しています。輸出税に関する主要法律は1996年3月29日に制定されたThe Law of Mongolia Determining the Amount of Export Customs Duty to be imposed on Certain Commoditiesです。
当該税金が当該製品の国内価格の減少につながる場合、国内加工への援助になります。
ドラッグと麻薬(およびそれらを生産する原料・装置)の輸出およびある種の危険かつ毒性のある化学品の輸出は禁止されています;
生皮、Skins, カシミアは国内加工業者を保護する観点から禁止されています。
モンゴルは国連による経済報復は適用されません。
モンゴルでは、輸出者に対して輸出許可を要求しません。いくつかの項目については例外があります。
鉄砲、爆発物、およびある種のドラッグです(下表)。
モンゴルは外国と輸出自主規制協定を締結していません。輸出に対しての価格規制もありません。
Goods subject to import or export licence
HS Code, national | Description | Export/import |
---|---|---|
I. Breeding animals | Export | |
01011000 | Pure-bred breeding horses | |
01019000 | Other breeding horses | |
01021000 | Pure-bred breeding live bovine animals | |
01029000 | Other breeding live bovine animals | |
01031000 | Pure-bred breeding live swine | |
01041000 | Sheep | |
01042000 | Goats | |
01069010 | Camels | |
Other live animals, raw materials originating therefrom,samples of animals for research purposes, semen of animals,cultures of micro- organisms | ||
Very rare animals (26 types of animals listed in the Animals Law) | ||
Rare animals (list to be determined by the Government) | ||
05079011 05079021 05079029 | Antlers, filled with blood, of deer Horns, of deer Horns, of wild sheep and of wild goats | |
05100011 | Musk | |
05100012 | Penis, of deer | |
05111000 | Bovine semen | |
05119910 | Animal semen (other than bovine semen) | |
05119990 | Semen, of other animals other than breeding animals | |
26121000 | Uranium ores and concentrates | |
II. Poisonous chemicals (96 types of chemicals indicated in joint order No. 83/A/160 of 1998 by the Ministers of Environment, Health and Social Welfare) | Export and import | |
III. Human blood and organs for therapeutic and prophylactic purposes that require necessary control | Export and import | |
30011000 | Glands and other organs, dried, whether or not powdered | |
30012000 | Extracts of glands or other organs or of their secretion | |
30021000 | Antisera and other blood fractions and modified immunological products, whether or not obtained by means of biotechnological processes | |
30023000 | Vaccines for veterinary medicine | |
30029000 | Other: human blood, cultures of micro-organisms | |
IV. Explosives | Export and import | |
36010000 | Propellent powders | |
36020000 | Prepared explosives, other than propellent powders | |
36030000 | Safety fuses, detonating fuses, percussion or detonating caps, igniters, electric detonators | |
3604 | Fireworks, signaling flares, rain rockets, fog signals and other pyrotechnic articles | |
V. Guns, equipment and tools for military use and their spare parts | Export and import |
モンゴルは農産物を含む輸出品に対し直接補助金を提供していません。輸出者は物品税、VATは免除になります。
生産品の50%以上を輸出する外国投資企業は、当初3年間法人所得税が免除になり、以降3年間は50%免除になります。
2002年12月31日までにこれらの補助金を削減するコミットをしていましたが、他国が輸出志向企業に対し同様の優遇措置を提供しているので、モンゴルとしても優遇措置削減を行う政治的意思は弱くなっています。
モンゴルでは並行輸入は認められます;しかし、流通業者は一社のみしか許されません。
団体名 | モンゴル会計・事業支援センター |
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日本事務局 | 株式会社 TKMコンサルティング 260-0021 千葉県千葉市中央区新宿2-5-3大同生命ビル5階 |
電話番号 |
043-204-5181 |
FAX |
043-247-7901 |
モンゴル事務局 | OKUNOU MONGOL Co.,Ltd 5th Floor, Orchil Center Bayanzurkh District, Ulaanbaatar, Mongolia |
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